小売全面自由化による効果

家庭等の需要家の選択肢の拡大

「アフターサービスの良い電力会社を選ぶ」、「今より安い電力会社に乗り換える」など、一般家庭でも電力会社の選択が可能となります

今までとは異なる電力会社に乗り換える際、①メーターの買い換えは必要ないことや、②停電頻度、周波数など、電気の品質はどの小売事業者から購入しても同一であるため、通信と比べても、家庭等の需要家にとって乗り換えの障害は小さいと言われています。

自由化により、今までよりも多様な料金メニューが生まれます。これにより、電気の販売を携帯電話、家電、通信、電気自動車等と組み合わせた「セット割引」など、これまでに無かったサービスが生まれることが考えられます


電気料金の最大限の抑制

電力会社間の競争を促進するとともに、競争状況を見極めた上で料金規制を撤廃したり、適切に市場を監視することで、燃料コストが上昇する中でも、電気料金を最大限抑制します(過去の自由化では、6兆円以上の効果があったと試算されています)。

2016年4月からは、一般家庭や小規模商店なども、電力会社の料金メニューや供給条件の比較によって、事業者を選ぶことができるようになります。

地方公共団体など、既に自由化された大口部門で新規参入者(新電力)から供給を受けている団体では、電気代の削減が実現しています。


「需要家発」のスマートな電力消費形態

ピークシフト料金(ex.「夏の昼間に高く、他の時間帯は安くなる」料金メニュー)などライフスタイルに合わせた多様な料金メニューが提供され、消費者側が納得感高く省エネを行うことにより、日本全体ではより少ない電力投資で安定供給が図られることも期待されます。

柔軟な料金設定を可能とするため、スマートメーターの導入などの環境整備を併せて実施。

スマートコミュニティにおけるピークシフト料金などの実証実験

  • 北九州市や豊田市などのスマートコミュニティー4地域で、ピークシフト料金などの実験を行った。
  • 北九州では、ピーク時の電気料金を引き上げることで2割ものピークカットを実現。一般家庭と比べて支払う電気料金も3割安くなり消費者にもメリット。
  • 時間帯別・季節別の電気料金メニューが選択できる社会への移行は今後の重要課題。


事業者の事業機会の拡大

○全面自由化により、発電部門(発電事業者)と小売部門(小売事業者)には、新たに多様な事業参入が行われることが見込まれます

発電事業者

  • LNG、石炭火力については、今後、発電事業者の新規参入が見込まれる(※資源確保を有利に進めるため、交渉力を発揮すべく、発電事業における企業・業種を超えた提携が進むことも期待)。
  • 再生可能エネルギーや分散型エネルギーの活用、地産地消による新しい発電事業の新規参入が見込まれる。
  • 全面自由化をにらみ、企業では自らの特性を活かした発電所建設の動きが見られる。(ex.自家消費用に発電所を運営してきたノウハウを持つ企業が、小売事業者向けにも供給する発電所を建設)

小売事業者

  • 消費者目線の新しい電力小売ビジネス(電気と他の製品・サービスとの「セット販売」、ガス・石油など他のエネルギー企業による参入)が生まれることが見込まれる。
  • 再生可能エネルギーや分散型エネルギーの活用、地産地消による新しい小売事業の新規参入が見込まれる。
  • 一般電気事業者についても、首都圏での小売業参入が予定されているなど、既存の電力会社間の競争に向けた動きがみられる。

法的分離による送配電部門の中立性の一層の確保(第3弾改正)により、新規参入の発電事業者や小売事業者に対しての、送配電網へのより一層の公平なアクセスが図られることとなる。
小売事業者には、供給力確保を義務付け(空売りを規制)。