電力の小売全面自由化

電力の小売全面自由化とは?

現在、一般家庭向けの電気の販売は、各地域の電力会社(東京電力、関西電力など、全国10社)が独占的に担っています。そのため一般家庭では、電力をどの会社から買うか選択はできません。

2016年4月1日からは、一般家庭向けの電気の小売販売への新規参入が可能になります。
これにより、全ての消費者が電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになります(=電力の小売全面自由化)。

<※企業など大口消費者向けの電気の販売は、既に自由化されています。

ただし、消費者保護のため、自由化後も少なくとも2020年4月までは、今と同じ電力会社・料金メニュー(=規制料金メニュー)でも電気を買えるようになっています。
自由化後も今と同じ料金メニューを継続する場合には、特段の手続は不要で、自動的に契約が更新されます。

また、新規参入者が電気を販売するには、政府の登録を受ける必要があります。
消費者は、この登録を受けた事業者(「小売電気事業者」)から電気を購入することになります。新規参入した小売電気事業者の一覧は、経産省HPで確認できます

<小売電気事業者一覧(今後も追加されていきます)>
http://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/summary/retailers_list/

電力の小売自由化の歴史

2000年以降の電力事業制度改革によって、電力の小売は既に部分的に自由化されています。

その結果、工場などの大口消費者(=自由化部門)に対しては、既に各地域の電力会社以外の、新規参入事業者(いわゆる「新電力」)も電力の小売を行っています。

一方、家庭を含む小口消費者(=規制部門)については、現在は各地域の電力会社のみが電気の販売を行っています。


既に自由化された大口部門における新規参入者の動向

大口消費者への電気販売は既に自由化されていますが、この大口部門への新規参入者(新電力)の数は、震災後、大幅に増加(総計750社超)しています。このうち、電力販売実績がある新電力は限定的でしたが、過去1年で約30社増え、今年7月には90社となっています。

来年の小売全面自由化を見据え、新電力が家庭向けへの参入を表明したり、各地域の電力会社グループによるエリア外への供給、異業種との連携など、新たな動きが活発化しています。


小売全面自由化によって開放される市場

小売参入全面自由化によって、これまで各地域の電力会社が独占的に電気を供給していた約8兆円の電力市場が開放されます。全国で約8,500万の家庭・小規模事業者が潜在的な顧客になり、企業にとって大きなビジネスチャンスとなります。

全面自由化をきっかけに、既に自由化されている市場でも、新規参入者の活動が活発になることが見込まれます。